大ヒット！サバイバルバトルマンガ「ゴールデンカムイ」とは
「ゴールデンカムイ」は「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載中の野田サトル氏による日本漫画で、累計発行部数はコミックス第２２巻の時点で1,300万部です。
日露戦争終結後の北海道を舞台に、元陸軍兵の杉本佐一とアイヌの少女アシリパが仲間となり、アイヌ民族が秘蔵していたとされる金塊を目指して旅を続ける物語です。 旅の過程では、マタギ(北海道や東北地方、北関東などの山岳地帯において、昔ながらの方法で狩猟を行う猟師のこと)の谷垣源次郎、脱獄王と呼ばれる白石由竹、元新選組の土方歳三および永倉新八、大日本帝国陸軍の上等兵・尾形百之助など、数多くの個性的なキャラクターが登場し、それぞれに金塊を追って複雑に関わり合っていく、非常に読みごたえのあるストーリーになっています。
タイトルの「ゴールデンカムイ」は、英語の「Ｇｏｌｄｅｎ」とアイヌ語の「カムイ」を組み合わせた、作者による造語です。
・ヒットの要因
それまでの漫画作品で取り上げられることの少なかったアイヌ民族が大きなテーマの一つになっています。また、迫害や差別といった暗い切り口ではなく、アイヌ民族の強さやリアルな生活様式などを中心に描いた点も画期的で、多くの読者にとって新鮮であったことがヒットの要因の一つとされています。
・高い評価
文献や資料に基づきアイヌ文化を丁寧かつ正確に描いている点や、漫画という媒体を生かしてアイヌならではの文様などを細かく描写している点などから、アイヌ文化振興の面でも高く評価されています。こういった作風が功を奏し、2016年「このマンガがすごい！2016オトコ編」2位、2018年「手塚治虫文化賞」マンガ大賞受賞など、数々の漫画賞やランキングに名を連ねています。
・海外での躍進
2019年、イギリス・ロンドンの大英博物館において行われた日本の漫画の歴史を紹介する「マンガ展」において、ゴールデンカムイも取り上げられ、好評を博しました。 また大英博物館の公式Twitterにおいて、ゴールデンカムイのヒロイン「アシリパ」がヘッダー画像を飾るなど、非常に大きく取り上げられました。
ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
